ロードバイクのタイヤの種類は、チューブラー、クリンチャー、チューブレスの3タイプがあります。
ここ数年はプロレースにおいてもチューブレスタイヤが多用されています。 今回はチューブレス(レディ)タイヤに必須のシーラントについてまとめていきたいと思います。
タイヤの種類
- クリンチャータイヤ(Clincher): リムの内側にビードがあり、タイヤはチューブで膨らませます。一般的で、パンク修理も比較的簡単です。
- チューブラータイヤ(Tubular): タイヤとチューブが一体になっており、専用のリムと接着剤で取り付けます。軽量で、パンクしてもタイヤが外れにくいとされます。
- チューブレスタイヤ(Tubeless): チューブが不要で、特殊なリムとタイヤシー
チューブレスタイヤとは
チューブレスタイヤは、通常のクリンチャータイヤと異なり、内部にチューブを使用せず、エア密封性を持たせる設計です。
- 構造
チューブレスタイヤは、クリンチャータイヤと同様にリムにクリンチする構造を持っていますが、内部にチューブがない代わりに、タイヤ自体がエア密封性を持っています。 - リム
チューブレスシステムを使用するには、専用のチューブレスリムが必要です。これは通気孔のない構造を持ち、タイヤのビードがしっかりとホールドされるように設計されています。 - タイヤシーラント
チューブレスタイヤには、タイヤ内にシーラント(封止剤)が含まれています。これは小さなパンクを修復し、タイヤ内のエア漏れを防ぐ役割を果たします。 - エア圧
チューブレスシステムでは、一般的に通常のクリンチャータイヤよりも低いエア圧を使用できます。これにより、乗り心地が向上し、グリップが増加することがあります。 - パンク修復
チューブレスタイヤは、小さなパンクが発生した場合、シーラントが自動的に穴を埋めることがあります。大きなパンクや損傷が生じた場合には、修理が必要ですが、シーラントによって多くの一般的なパンクが予防できます。 - 取り扱いと取り付け
チューブレスタイヤの取り付けは、通常のクリンチャータイヤよりも少し手間がかかります。また、リムとタイヤの相性が重要で、同じメーカーの製品を組み合わせることが推奨されることがあります。
チューブレスタイヤは、一般的にパンクリスクを減少させ、乗り心地やグリップの向上に寄与します。ただし、初めて使用する際には適切な取り付け方法やシーラントの補充など、特別な手順が必要なことに留意すると良いでしょう。
シーラントの必要性について
シーラントの主な目的は、チューブレスタイヤシステムのエア密封性を向上させ、穴や亀裂からのエア漏れを防ぐことです。
- 自己修復機能
シーラントは、タイヤに小さな穴や刺傷が生じた場合に、自動的にそれらを塞ぐ自己修復機能を提供します。これにより、ライダーは走行中に発生した小さなパンクから直ちに影響を受けずに走行を続けることができます。 - 小さなパンクへの対応
通常、シーラントは直径数ミリメートル以下の小さな穴に対して非常に有効です。釘やガラス片などがタイヤに刺さった場合、シーラントがその穴を埋め、エア漏れを防ぎます。 - 低いエア圧でも走行可能
シーラントが効果的に機能することで、タイヤのエア圧を比較的低く設定できます。低いエア圧は乗り心地を向上させ、グリップを良くする一方で、通常のクリンチャータイヤよりもパンクのリスクが低減します。 - 軽微な損傷に対する保険
鋭利な物体や路面の荒れた部分によって引き起こされるような軽微な損傷に対しても保険的な役割を果たします。これにより、予期せぬトラブルからの保護が期待できます。 - タイヤとリムの密閉
シーラントは、タイヤとリムの接合部分を密閉し、エア漏れを防ぎます。これにより、エアがタイヤの内部にしっかりと保持され、走行中に安定したエア圧を維持できます。
注意すべきは、定期的なチェックと補充です。チューブレスタイヤシステムを最大限に活かすためには、シーラントの適切な管理が不可欠です。
シーラントの種類
シーラントにはいくつかの異なる種類があり、それぞれ異なる特性を持っています。
- ラテックスベースのシーラント
ラテックスは一般的なシーラントの主成分であり、液状の状態で提供されます。ラテックスベースのシーラントは非常に効果的で、小さな穴や刺傷に対して迅速に対応します。ただし、乾燥が早いため、定期的な補充が必要なことがあります。 - アンチフリーズ添加シーラント
低温環境での使用に適しています。凍結しにくく、寒冷地域での冬季走行に適しています。アンチフリーズ成分が含まれているため、液体が凍結することを防ぎます。 - ナノ粒子添加シーラント
一部の製品には、穴や刺傷をより効果的に埋めるための微細なナノ粒子が添加されています。これにより、シーラントの効果が向上し、長期間にわたって持続します。 - 繊維添加シーラン
一部のシーラントには、繊維や綿のような素材が添加されています。これらの繊維が穴や刺傷を塞ぐのに役立ちます。 - 高粘度シーラント
一部の製品は非常に高い粘度を持っており、タイヤ内での移動が少ないため、効果が持続しやすくなります。ただし、この種のシーラントは重い沈殿物を持つことがあり、タイヤの回転バランスを妨げる可能性があります。
これらのシーラントの選択は、ライダーの好みや使用環境によって異なります。メーカーや製品によっても異なる成分が使われているため、選択する際にはシーラントの特性や効果の持続性を考慮することが重要です。
各社から出ているシーラント
各社からさまざまなシーラントが発売されており、その一部を紹介します。
- Stan’s NoTubes Sealant
Stan’s NoTubesは長い間シーラントの分野で評価されています。ラテックスベースのシーラントで、効果的に小さな穴や刺傷に対処できます。 - Orange Seal Cycling Tubeless Sealant
Orange Sealは高い評価を受けるシーラントの一つで、ナノ粒子が効果的に作動するとされています。また、寒冷地での使用にも適しています。 - Effetto Mariposa Caffélatex
Caffélatexは、高い粘度を持つシーラントで、穴や刺傷を迅速に塞ぐとされています。また、アンチフリーズ成分が含まれており、低温環境でも効果的です。 - Muc-Off No Puncture Hassle Tubeless Sealant
Muc-Offのシーラントは、ナノ粒子と繊維を含む独自の配合で、穴や刺傷に迅速に対応します。また、高温下でも安定して作動する特性があります。 - Hutchinson Protect’Air Max Tubeless Sealant
Hutchinsonのシーラントは、穴や刺傷に対する効果と長期間の持続性が特徴です。独自の成分がパンクリスクを低減するとされています。
オススメのシーラント
Muc-Off No Puncture Hassle Tubeless Sealant
シーラントに何を求めるかですが、せっかくチューブレスタイヤを使用しているのであれば、チューブド(クリンチャー)タイヤの時のようなパンクして足止めを喰らうのを避けたいのではないでしょうか。 UKのメディアである mbr が行ったテストにおいて、タイヤに空いた孔を塞ぐ性能が最も高かったシーラントとしてMuc-offのシーラントが選ばれています。
・2.75mmの孔 → ホイール1回転で塞がった
・5mmの孔 → ほぼ瞬時に塞がった
・サイドウォールのカット → 塞がり、その後空気を入れる事のできた唯一のシーラント
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