ホイールのベアリング交換方法について紹介します。
なお、CLX50を事例に説明していきますが、DT SWISSのハブを使ったホイールであれば構造は同じなので、同様の方法で交換可能です。
ハブにDT SWISSを使用しているホイールメーカー一覧
DT SWISS |
roval |
Bontrager |
ONEAER |
FFWD |
ベアリング交換に必要なもの
まずはブレーキローターを外す工具。 rovalの場合はスプロケットを外す工具と同じなので、ここはセットで購入しておいた方が良い。
ベアリング脱着の専用ツール rapid racer products の Bearing press & extraction tool の No.9
M12のボルト(長めのもの)、ナット X 3、ワッシャー X 2(φ30くらいのもの)
ラチェット、メガネレンチなど
ベアリングの外側に塗布(防水のため)。
ベアリングの外し方
まずホイールを外します。
次に、ブレーキローターを外します
ブレーキディスクローターが外れたところ。
次に左右に付いているキャップを外します。
手でも外れるのですが、グリスで手が滑って外れなかったのでバイスクリップで。 持ってない方はペンチでも代用可能です。 傷が付かないようにウエスなどを噛ませて。
外れたところ
専用工具をセットします。
ボルト&ワッシャーをセット
反対側にも専用工具とナット&ワッシャーをセットします。 この状態で締め込んでいきシャフトごとベアリングを外します。 上の画像で言うと奥側に押し出す感じです。
外れました
反対側も外します。 専用工具とボルトをセット。
専用工具とワッシャをセット。 上の画像でいうと手前に引き抜いてきます。 ロングソケットが無い場合は手前にダブルナットをセットして空転しないようにする。
外れたところ。
ほとんど汚れていませんが、念の為パーツクリーナーで洗浄。
ベアリングの取り付け方
まずはベアリング圧入時の滑りを良くするためにグリスを塗布します(一般的なグリスで可、ここではシマノのプレミアムグリスを使用)
圧入専用ツール、ボルト・ワッシャー、ベアリングをこのようにセット
ホイールにセットしたところ
反対側
ねじ込んでいき、セット完了。
この時の注意点としては最後までねじ込まないこと
反対側のベアリングも圧入していきます。 反対側も最後まで締め付けずにシャフトに左右のガタがある状態で止めておくことがポイントです。 ガタがない状態まで圧入しすぎると、ホイールの回転がびっくりするほど重くなります。
その後、キャップを取り付け、バイクにセット、スルーアクスル締め付け(SL7の場合は 10Nm)、もう一度キャップを取り外し、シャフトに左右のガタがないか確認します。
この時にベアリング圧入部に塗布したグリスが活きてきます。 グリスを塗布していないと、ガタがある状態と締めすぎの中間を狙うのが難しくなってきます。
ベアリングの位置が決まったら、最後に防水のためユニバーサルグリスを塗布
インプレッション
はたしてベアリング交換の効果は?
…全くわかりません。もともと抵抗の少ないのがベアリングなので、それをちょっと変えたくらいで全体としては微々たるもの。
逆に言ってしまえば1個10000円近くするセラミックスピードのベアリングと1個600円ほどのベアリングが体感的には同等なので、普通のスチールベアリングで十分と言えます。
乗った時の体感では全くわかりませんでしたが、手で回してみてどれだけの秒数回り続けるかでいうと差がわかります。
3000km走行のセラミックスピード = 新品のNTNのLLB << 1000km走行後のNTN・LLB
新品のスチールベアリングは回転が重く、最初はこんなものか…と思ったが、1000km超えた時点で確認してみると新品の時よりもよく回る状態に。
そして、工業製品なので耐久性がよく、その後走行距離が3000kmを超えても、変化は見られませんでした。
まとめ
・専用工具は必要 rapid racer products (無くてもできるけど、あると圧倒的に便利)
・日本メーカー製のスチールボールベアリングは良く回転し、耐久性も高く、コスパも高い
・取り付けはシビア、締めすぎると回転が重い。 スルーアクスル締め付けでちょうど良い状態になる
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